ディープラーニングの心理学的解釈 (心理学特講IIIA)¶
下図は,心理学と神経科学と人工知能の 3 者関係を概念的に表しました。
歴史的には,心理学は実験認識学 experimental epistemology としての側面を持っています。 すなわち,我々が認識すること,外界を受容し理解するとは何であるのか,という問いを思弁に頼ることなく明らかにしようとしてきました。 その過程で,およそ 170 年前に 1879年(明治12年)にブントにより,近代的な意味での心理学が成立したとされます。
ところが,哲学の意味での認識論にまで昇華させるには長い時間が必要でした。今でも実験心理学者の議論を哲学者が参照することはありません。 むしろ,実験的認識論として心理学は,その基礎を生理学に求めます。上図右下の neuroscience
人工知能の歴史¶
実習¶
Colab の実習として,話題の感染症のモデルを例に解説します。
ケルマック=マッケンドリック モデルは 1905 年,インドで流行ったペストのモデルです。詳しくは 下の colab ファイルを見てください。 感染症の基本モデルがニューラルネットワークモデルと関連することは口頭で解説します。また常微分方程式の簡単な説明にもなっています。 今回の武漢ウィルス禍も同様のモデルが使われているようです。
武漢ウィルスの我が国における数理モデルについては,以下の 2 つのサイトも参照してください
余談ですが,以下のような劣悪な記事には騙されないでください。この記事のなかで,西浦モデルは単純な線形モデルという記述はまったく,モデルを理解していません。 西浦モデルの元になた,ケルマック=マッケンドリックモデルは常微分方程式です。8 割削減で,単純な計算にはなりません。 悪いのは「西浦モデル」ではない。何もしてこなかった安倍政権だ おそらく,この論壇の解説文はケルマック=マッケンドリック モデルが理解できず,ひたすら基本再生産数 の次式しか理解できなかったのでしょう
余談¶
- 政府、AI人材年25万人育成へ 全大学生に初級教育
- AI人材25万人目標達成へ 政府、統合イノベ戦略を閣議決定
- 東大など 学生が学ぶべき「AIリテラシー」を定義
- 引く手あまたのデータサイエンティスト 学生は及び腰?
- 文部科学省 高等学校情報科「情報Ⅰ」教員研修用教材(本編)
- 上サイト第3章コンピュータとプログラミング Python でサンプルコードが書かれている。
- 上サイト第4章情報通信ネットワークとデータの活用 テキストマイニングで R with Mecab
- 日本ディープラーニング協会 次回7月4日G検定、受験料半額での実施を決定
ビデオ閲覧¶
人工知能とは何か¶
- 【AI研究者 浅川伸一先生②】AI=人工知能の定義|資格スクエア大学・独学部 vol.358
人工知能の歴史¶
- 第 1 次,第 2 次 ブーム
- 第 3 次ブーム
- AI 脅威論
- 現状
AI についての素朴な疑問?¶
- 機械学習とニューラルネットワーク違うの?
- 機械学習と人工知能は違うの?
- ニューラルネットワークと人工知能は違うの?
- 機械学習とニューラルネットワークと人工知能は関係は?
- ディープラーニングとニューラルネットワークは違うの?
人工知能 AI とは何か¶
- 「人工知能の基礎」(小林 一郎)
- 人の知能,つまり,人が行なう知的作業は,推論,記憶,認識,理解,学習,創造といった現実世界に適応するための能力を指す.人工の「知能」とは,人の「知能」のある部分を機械に行わせることによって創られる.
- デジタル大辞泉 《artificial intelligence》コンピューターで,記憶・推論・判断・学習など,人間の知的機能を代行できるようにモデル化されたソフトウエア・システム.AI.
シャピロ (Shapiro, Stuart C., 1992) は次の3つの分野だと書いています。
- 計算論的心理学 Computational Psychology 人間の知的活動を理解するために人間のように振る舞うコンピュータプログラムを作ること
- 計算論的哲学 Computational Philosophy 人間レベルの知的活動を計算論的に理解すること。計算論的理解=コンピュータ上に実装可能なモデル
-
計算機科学 Advanced Computer Science コンピュータ科学の拡張,発展。現在のコンピュータはプログラムされたことしか実行できないが,人間はプログラムされていなくても勝手に振る舞う。
-
Shapiro, Stuart C. (1992), "Artificial Intelligence", in Stuart C. Shapiro (ed.)E, ncyclopedia of Artificial Intelligence, 2nd edition (New York: John Wiley & Sons)
大枠の関連分野の関係¶
- 人工知能
- 機械学習
- ニューラルネットワーク
- ディープラーニング
- データサイエンス
- 統計学
- 心理学
各領域の関係は?
時代背景¶
- 18世紀 第 1 次産業革命:
蒸気機関,都市部に大規模工場が出現 - 20世紀初頭 第2次産業革命:
電気,オートメーション化,自動車,飛行機,電車による移動手段の変化 - 20世紀後半 第3次産業革命:
情報化,コンピュータ化,グローバル化 - 21世紀から 第4次産業革命:
AI 人間の能力を越える機械
Gray (2009) The 4th paradigm より
おおまかな歴史¶
- 1952-1956: 人工知能の誕生
- 1956–1974: 第一次 AI ブーム
- 1974–1980: 第一次 AI の冬
- 1980–1987: 第二次 AI ブーム
- 1987–1993: 第二次 AI の冬
- 1993–2001: AI の進展
- 2000–現在: 第三次 AI ブーム 深層学習,ビッグデータ,汎用人工知能
- 近未来: 第四次産業革命
人工知能の歴史¶
キーワード:¶
- GOFAI, symbolic AI, Enbodiment, Computational approach, neuveu AI, ata science, web ontology
- 記号処理的AI Russel lNovig(2003)
- 計算論的モデル (Marr, 1980)
1940-1950: Early days¶
- 1943: McCulloch & Pitts: Boolean circuit model of brainme
- 1950: Turing's “Computing Machinery and Intelligence”
1950—70: Excitement: Look, Ma, no hands!¶
- 1950s: Early AI programs, including Samuel's checkers program, Newell & Simon's Logic Theorist, Gelernter's Geometry Engine
- 1956: Dartmouth meeting: “Artificial Intelligence” adopted
- 1965: Robinson's complete algorithm for logical reasoning
1970—90: Knowledge-based approaches¶
- 1969—79: Early development of knowledge-based systems
- 1980—88: Expert systems industry booms
- 1988—93: Expert systems industry busts: “AI Winter”
1990— 2012: Statistical approaches + subfield expertise¶
- Resurgence of probability, focus on uncertainty
- General increase in technical depth
- Agents and learning systems… “AI Spring”?
2012— : Excitement: Look, Ma, no hands again?¶
- Big data, big compute, neural networks
- Some re-unification of sub-fields
- AI used in many industries
Winograd barrier (1972) 複雑さの障壁¶
Winograd (1972) 曰く:
自然言語を理解するための SHRDLU プログラムのような大きなプログラムは、AI プログラミングのある種の行き止まりであると言われている。プログラムは各要素間の複雑な相互作用に対処しなければならず、同時にそれらを理解し,拡張するには大きな障害がある。どんな部分でも把握するためには、それが他の部分とどのように適合し、密な質量を示し、容易な足場がないかを理解する必要がある。プログラムを書いたとしても、すぐに頭に入れておくことができる限界に近づいている。
- 記号処理的,ルールベースアプローチの限界
- Sutton の Bitter Lessons
産業¶
- Automation, Skills Use and Training, Ljubica Nedelkoska and Glenda Quintini, OECD working paper (2018)
AI に奪われない職業 (Frey and Osborne, 2013 より)¶
順位 職業
- レクリエーションセラピスト (Recreational Therapists)
- 機械、インストーラ、修繕士の第一線の監督者(First-Line Supervisors of Mechanics, Installers, and Repairers)
- 緊急管理ディレクター(Emergency Management Directors)
- メンタルヘルスおよび薬物乱用ソーシャルワーカー(Mental Health and Substance Abuse Social Workers)
- 聴覚医(Audiologists)
- 職業療法士(Occupational Therapists)
- 正教会と補綴学者(Orthotists and Prosthetists)
- 医療従事者ソーシャルワーカー(Healthcare Social Workers)
- 口腔および顎顔面外科医(Oral and Maxillofacial Surgeons)
- 消防職員の第一次監督者(First-Line Supervisors of Fire Fighting and Prevention Workers)
AI に奪われそうな職業 (Frey and Osborne, 2013 より)¶
順位 職業
- 新規口座担当者(New Accounts Clerks)
- 写真プロセス労働者および加工機械オペレータ(Photographic Process Workers and Processing Machine Operators)
- 税務申告者(Tax Preparers)
- 貨物および貨物代理店(Cargo and Freight Agents)
- 時計修理業者(Watch Repairers)
- 保険引受人(Insurance Underwriters)
- 数学技術者(Mathematical Technicians)
- 下水道、手(Sewers, Hand)
- タイトル審査官、抽象化者、および調査員(Title Examiners, Abstractors, and Searchers)
- テレマーケティング担当者(Telemarketers)
危惧¶
- AI戦略(有識者提案)及び人間中心のAI社会原則(案)について
- ソサイエティ 5.0 これ自体がドイツのインダストリー 4.0 のパクリ
- ソサイエティ 5.0 これ自体がドイツのインダストリー 4.0 のパクリ
自動殺戮兵器¶
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アシロマ原理¶
https://futureoflife.org/background/aimyths/